「Cats Collection ―あつめねこ―」 デザイナーズノート


 初めての外部依頼によるゲーム作成。先方からの指定は「可愛い猫のイラストのカードを集めるゲームにして欲しい」とのこと。となるとゲームのターゲット的には気楽に遊べるゲームがいい。できれば20分程度で終わらせることができるもの。ちょっと悩んでぽんぽん進むゲームがいい。

 「手札のカードを順番に出していくが、どこかでリセットをかけないと苦しくなる」というシステムは個人的にお気に入りで、旧作「ぼむ!」でも採用している。その上で、猫を集める部分にはマジック:ザ・ギャザリングの「ウィンチェスター・ドラフト」のシステムを借りた。ということで、ここまでのシステムは最初の話が来た瞬間に頭の中でできあがっていた。

 で、プロトタイプを作ってテストプレイをするうちに、色々と問題点が出てきた。

 取ったカードを裏向きに置くのが標準ルールになっているのは、表向きにするとマジョリティ系のガチ風味が増して、当初のゲームの方向と違う感じがしたことによるもの。とにかくゲームからガチ空気を取り除きたかったことによるもの。ゲームのテーマ的にゆるい空気は超大事なのですよ。


「あつめ邪神 Evil God collection」 デザイナーズノート


同システムを使った第二弾。

先方からは「完全に同じシステムなんで、イラストだけ換えればいいですよね?」と言われたので、「おまはんとこの邪神にはオスメスがあるんかい」と思いつつも、「いやー、それはちょっと……」とお茶を濁すのが大人のたしなみ。結局基本システムはそのままに、周囲をいじることにした。

メインはクトゥルフ独特の「狂気」をどこに投入するか。当初は手札を捨てることを考えたのだが、手札リセットが入るこのゲームでは手札の強制減少はメリットになる場合があるためにこの方向は没。

とは言え「何かネガティブなことをすることでポジティブな事象が発生する」にはこだわりたかったので、色々考えた結果、「取ったカードを捨てることによるボーナス獲得」を中心に置くことにした。これが狂気カード。特に、マジョリティボーナスを得られるカードを捨てることで「無意味なカードを取る意味」と「マジョリティを取れないリスクとのせめぎ合い」をゲームに持ち込んでみた。これにより、前作よりもほんの少しゲーマー側に寄っているデザインになった。テーマ的にはそれで問題ないとは思う。

欲を言えば、もう少しボーナスは派手にしたかったところ。テストプレイの期間が短くて数値的に攻められなかった。ここは反省点。


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