10項目で学ぶシールドデッキの作り方

オリヴィエ・ルーエル

 今回は、僕の一番好きなフォーマットの一つであるシールドデッキのコツをお教えしようと思う。PTQなんかの今後のイベントに役立てて欲しい。

運ゲーなのか?

 ほとんどの人々は、シールドデッキはマジックにおいて一番の運ゲーのフォーマットだと思っている。実際の話、《呪詛/Hex》だの《炎の一斉攻撃/Flame Fusillade》だの《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》だのを引く人がいる一方で、その手のトップクラスのカードがまったく引けない人もいる。ただし、パックが10個あれば、バカみたいに強いカードプールのパックがまあ1個あって、あとはだいたい、強いパックが2個、まあまあが3個、弱いのが2個、全然どうにもならないのが1個ってところになるだろう。

 とすれば、弱いパックを引く人は全体の3割ぐらいしかいないはずなのに、どうしてプレイヤーの8割から9割は自分の組んだパックに不満が出るんだろうか?

 ほとんどの場合、君のパックには何らかの強いところがある。強力なレア、大量の除去、飛行クリーチャーがたくさん、あるいは強力なマナベースとか。ただし、これらが全部揃うことはない。必ず何かが欠けているはずだ。

パックを開ける

 これはマジックにおいて、プレイすることよりもお気に入りの、一番好きな行動だ。僕が子供の頃はサッカーのトレーディングシールを集めてたけど、その頃の興奮は今でも残ってるんだろうね。え? 戦術的な話? まあ、開けるだけなら何も考えるところは無いさ。話を戻すことにしよう。シールドパックを開けたら、僕が実行するのはこんな内容だ。

  1. カードを見てみる
     神級のカードが無くてもなんとかなるけど、いい成績を残したければ、強力なレアが少なくとも1枚は絶対に必要だろう。それに僕だって、レアを見るまではカードが見えないぐらいにすっかり興奮しっぱなしだしね。

  2. 色別に分ける
     金枠カードは一まとめにしておこう。

  3. 使えるカードと使えないカードを分ける
     23枚目なり24枚目なりレベルのカードは、それと判るようにしておいたほうがいい。

  4. マナ調整カードをチェック
     お帰りランドや印鑑は重要だ。シールドデッキはドラフトと違い、3ラウンドだけだからマナが不安定でも引きがよければってわけには行かない。PTQみたいな長期戦だと話が違ってくるんだ。マナが厳しいときが来るのは確実だから、それをできるだけ回避しなくちゃいけない。強力なマナ基盤は武器になる。それは除去やトップレベルカードと同じ役割をするんだ。そいつがものすごくたくさんあるようなら、4色以上を狙ってもいいだろう。

  5. 使えるカードはどこだ?
     マナを安定させたいけど調整カードがあまり無い場合、使えるカードが一番たくさんある色を1〜2色メインに決めよう。まあ大抵は緑になるだろうね。カード自体がそれほど強いわけじゃないのに、こいつはシールドデッキで一番使われる色になっている。《遥か見/Farseek》や《護民官の道探し/Civic Wayfinder》や《シラナの星撃ち/Silhana Starfletcher》や《楽園の拡散/Utopia Sprawl》といったカードがあれば、緑をメインにすることで足りないお帰りランドや印鑑の代わりをしてくれるからだ。

  6. 除去は?
     除去の無いデッキは絶対に使わないこと。必要ならタッチすればいい。一切の対応が聞かないような白青緑デッキとかは全然駄目だ。そんなことをしようものなら、例え世界一強いデッキができたとしても、1枚の強烈なカードや、果てはギルド魔道士や《ヴィーアシーノの牙尾/Viashino Fangtail》にすら完封されてしまうだろう。

  7. 実験
     君のデッキをテーブルに以下の順で並べよう。クリーチャーをコスト順に左から右へ、そして他の呪文をやっぱりコスト順にする

     気をつけるべきことは以下の通り。

  8. バランス調整
     最初にも書いたとおり、何もかもが手に入るわけじゃない。マナ調整、除去、神カード、良質のカーブ……できるだけ多くを組みあわせて、自分のデッキの長所を引き立てよう。

  9. デッキリストの記入
     自分なりのリストの数え方や確認のしかたはあると思う。とにかく、きちんとリストの確認を行なうこと。

  10. デッキの変更
     デッキ構築がうまくいってないと気付いたとき、まだやり直す時間がある。各マッチの1戦目は登録したとおりのデッキじゃなければいけないけど、それ以外は必要に応じて何枚でもカードを変更してかまわない。ラウンドとラウンドの間の時間は、構築のミスを見つけるのにいい時間だ。フランク・カルステンはかつてこんな感じのことを言っていた。「デッキ構築は完璧だなんて言ってるやつがいたら、そいつは間違ってるか嘘つきだ。」 ミスをすることは恥ずかしいことじゃない。

 この記事があなたの役に立つことを願って。


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